ブラックオーバープリント
「ブラックオーバープリント」オプションでは、RGB=0, 0, 0、またはCMYK=0%, 0%, 0%, 100%で定義されたブラックのテキストまたはテキストとベクトルグラフィックを、カラーの背景上にオーバープリント(重ね出力)するかどうかを指定します。このオプションをオフにすると、ブラックのテキストまたはテキストとグラフィックのカラーの背景はノックアウト(くり抜き)されて出力されます。ノックアウトの場合は、カラーの版ずれによってオブジェクトの周りに白い境界線が表示されることがあります。
「ブラックオーバープリント」オプションには、次の設定があります。
テキスト-ブラックのテキストはカラーの背景上に重ねて出力されます。これにより、ブラックテキストと背景の間の隙間や版ずれの問題を回避できます。この設定は、「ブラックテキスト/グラフィック」オプションが「純ブラック-オン」に設定されている場合のみ選択できます。
テキスト/グラフィック-ブラックのテキストとグラフィックはカラーの背景上に重ねて出力されます。これにより、ブラックテキストと背景の間の隙間や版ずれの問題を回避できます。この設定は、「ブラックテキスト/グラフィック」オプションが「純ブラック-オン」に設定されている場合のみ選択できます。
オフ-ブラックのテキストとグラフィックのカラーの背景部分はノックアウト(くり抜き)されて出力されます。
この設定の使用方法の例として、ブラックのテキストを淡い青色の背景に表示するページを取り上げます。青色の背景は、CMYK=40%, 30%, 0%, 0%です。ブラックのテキストはCMYK=0%, 0%, 0%, 100%です。
「ブラックオーバープリント」を「テキスト」または「テキストとグラフィック」に設定すると、ページの最終的なテキストまたはグラフィックの部分がオーバープリントされます(背景色と組み合わされます)。アプリケーションによって生成されたブラック(たとえば、RGB=0, 0, 0、またはCMYK=0%, 0%, 0%, 100%)は、ブラックのみを使用して印刷されます。このため、プリンターのキャリブレーションが正しく行われている限り、ブラックのテキストおよびラインアートではハーフトーンによるモアレの問題は起こりません。シアンとマゼンタとの境目が一切生じず、テキストの境界での問題が起こらないため、出力の品質は向上します。
「ブラックオーバープリント」を「オフ」に設定すると、ブラックのテキストやグラフィックの境界では、一方の側(テキストまたはグラフィックの外側)にシアンおよびマゼンタ、もう一方の側(テキストまたはグラフィックの内側)にブラックが使用されます。このため、プリンターの限界により、版ずれが起きてしまうことがあります。